腕のはじまり


《コンテンツ》
●リカちゃんの腕
●肩関節
●腕のはじまり
●しくみを知ると動きが変わる(かも)

リカちゃんの腕

多くの人の腕の感覚って、ひょっとして下の図みたいなものじゃないでしょうか?

たしかリカちゃん人形(私の持っていたのははるみちゃんだったが)が
こんなふうになっていたと思います。

もし自分の腕に対してこのようなイメージを持っているとしたら、
ぜひ修正してみてはいかがでしょうか?

なぜなら、腕のしくみを知ると、腕の動かし方が変わる可能性があるからです。

では実際の「腕」はどうなっているのでしょうか。

肩関節

まず、はっきりさせたいのは、○で示したあたりが
いったいどうなっているのか、ということです。

分かりやすいよう、骨の名前を使って説明すると、
鎖骨・上腕骨が、肩甲骨を介してつながっているのです。

肩甲骨は背中にありますが、肩甲骨の一部が
ぐ~っと前に突きだしていて(肩峰)
鎖骨と接しています。
これを肩鎖関節といいます。

さらに、肩甲骨の外側側面に、ひろびろとした盆地みたいなところがあって
そこに、上腕骨のまるい先っぽが接しています。
これが肩甲上腕関節、いわゆる「肩関節」です。

図で示すと ↓ のような感じ。
Aは鎖骨、Bは肩甲骨、Cは上腕骨です。
またDは肩鎖関節、Eは肩甲上腕関節になります。

背中にある肩甲骨が、鎖骨と上腕骨の仲立ちをしているなんて!
これのことを最初に知ったときは、けっこうびっくりしました。

腕の始まり

では、↑ のようなしくみを持つ「肩」というパーツは、
胴体の左右に、しっかりとはめ込まれているのでしょうか?

いえ、そうではありません。
この「肩」は胴体の一部ではないのです。

鎖骨の両端をみると、片方は前に述べたように
肩甲骨とつながっています(下図Dの肩鎖関節)

そしてもう一方の先は胸骨とつながっています(下図Fの胸鎖関節)。

この胸鎖関節こそが、胴体と唯一つながっているところです。
それ以外の部分は胴体から完全に浮いている状態です。

胸骨は胸の中央にあって、そこから肋骨が生えて?います。
これらは胴体(軸骨格)です。

つまり、「肩」は胸鎖関節という「点」で胴体とくっついてるだけで
あとは胴体から離れて自由に動くことができるんです。

(もちろん、筋肉がありますので、実際の動きはある程度の制約がありますが。
そうでないと、腕がぽろっと取れてしまいますし・・)

しくみを知ると動きが変わる(かも)

さて、これまで長々と述べてきましたが、
その目的は、上記のようなことを知ることで、
もしかしたら、運弓の動きが変わる方もいるのではないか、と思ったのです。

左膝の上に置かれた二胡を上から見てみると
身体と並行ではなく、少し斜めに置かれています。
「運弓の方向」参照)

この状態の二胡をよく振動させるような弓の方向は
身体の真横ではなく、やや斜め前方になります。

(この運弓の方向については、ただ単に
「そうせざるを得ない」というものではなく
身体のしくみにもかなった、合理的なものであるということが
徐々に分かってきました。このトピックについては、
また別の所でまとめたいと思っています)

そのとき、腕の始まりを上腕肩甲関節と思って動かす人(左)と
腕の始まりを胸鎖関節と思って動かす人(右)では
どう異なってくるでしょうか?

たったこれだけのこと、とも思うのですが、
実はこれまでのレッスンで、上記の違いをちょっと知っただけで
「運弓、とくに長弓が楽になった」という反応が
ちらほら、あったんです。

なので、もしいまコレを読んでいるあなたが、
「手が届かなくてしんどい」とか思っているなら
ちょっと「腕のつけねは胸鎖関節」ということを知ったうえで
あらためて試して欲しいなあと。

もしそれで、あなたが少しでもラクに運弓できるようになったのなら、
私も嬉しいです。

***

上記のようなことも含め、2018年3月7日に四天王寺でワークショップ開催予定です。
・詳しくはイベント情報を御覧下さい。
・お問い合わせは こちら あるいは xuehuamao2016@gmail.com まで。

隠れた猫を見つけ出す。

こっちむく。

けど忙しい。

でもこっちもちょっと気になる。

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